【徹底検証】キットレンズ(レンズキット)ってどうなの?
カメラに興味を持って、一眼レフやミラーレス一眼を初めて買う人にとって、カメラ選びは悩むところだと思います。カメラといえば、やっぱりガチッとかっこいいフォルムの一眼レフなのか、気軽に持ち運べて一眼レフに劣らない写りのミラーレスか、メーカーはニコン?キャノン?ソニー?フジ?それともオリンパス?カメラそれぞれの良いところを比べながら、お財布と相談しながら、聞いたり調べたり実際に触ってみたりしてようやく覚悟を決めて購入する最初のカメラ。
しかし、最初はカメラ本体を決めることばかりに意識がいってしまい、レンズの事なんかあまり考えず、「レンズキットというレンズがセットでついてくるやつにするとお得なんだ!ラッキー!みんなこれを買うなら間違いないはず!よし決定〜!」って感じだと思います。(笑
でも、本当にそれで良かったのでしょうか?あなたの撮りたいような写真は満足に撮れていますか?
カメラを使いこなせていないから思い通りの写真が撮れないんだと思っているのは、もしかしたらお持ちのレンズの性能に限界があるからかもしれません!
今回は「レンズキットについてくるキットレンズは実際のところどうなのか」をテーマに僕の考えをお話していこうと思います。
そもそもキットレンズとは?
レンズキットとはカメラ本体とレンズがセットになっているもので、単品で本体とレンズを買うよりもお得なレンズセットです。そのセットになっているレンズをキットレンズと言います。
キットレンズといっても各社いろいろと出していますが、初めてカメラを買う方が手に取りやすい比較的お手頃な価格帯のエントリー機に関しての特徴としては、「F値の下がらないレンズ」という共通点があるように思えます。
レンズ選びはF値とズーム範囲を見ることが大切
初めてのカメラ購入の際は、レンズの良し悪しを判断する上で、まずは「F値」と「ズーム範囲」を見ることがオススメです!そこで、それぞれについてもう少し詳しくご紹介します。
F値とは?
いきなりF値って言われても、、って方すみません。(笑
「F値の下がらないレンズ」とは、簡潔に言うと「背景があまりボケない、暗いところであまり綺麗に撮れない」という意味合いのレンズです。F2.8やF4、F3.5-5.6などといった表記になりますが、これ以上はF値が明るくなりませんよー!といった意味です。
では反対に「F値の下がるレンズ」とは何かというと「明るいレンズ」と言われていて(F2.8以下が明るいレンズと言われることが多い)、「背景がよくボケる、暗いところでも綺麗に撮れる」ということです。要はF値は小さければ小さいほど良いのです。
ズーム範囲
次に撮影範囲(mmの表記)の話ですが、例えば18−55mm程度が標準ズームとして一番普及している範囲です。「18mmの広角から55mmまでズームできるレンズです」といった意味です。
それに加えて、70-300mm程度のダブルズームレンズキットなどといったレンズキットや、18-140mm程度の高倍率ズームレンズキットなど、各社様々な撮影範囲のレンズを出しています。これはカメラを買う被写体・目的に応じて適している撮影範囲が異なります。
「でも標準ズームよりも高倍率ズームの方が撮影できる範囲が広いからいいんでしょ?」というとそうでもなく、また先程の話に戻りますが、F値が標準ズームの方が小さくできたり、レンズとしての表現力が標準ズームの方が優れていたりと一概には言えません。
プロの大人たちによって考えられてレンズキットを組んでいるので、そこは流石に上手く出来ています!(笑
例えば子供の成長記録を撮りたいといった目的でも、家で撮る時はいつも目で見ているよりも案外家の中は暗いので、少しでもF値の下がる、明るいレンズがいいのです。その場合は、標準ズームが使いやすいと思います。
では、子供の運動会を綺麗に撮りたい場合はどうでしょう?かけっこしているところを上手く写真に残したいと思っていたら標準ズームではおそらく遠すぎて我が子にクローズアップしたかっこいい写真は撮れません。そんな時にダブルズームレンズキットの70-300mmであればバッチリです!
かけっこが終わって子供が寄ってきて、友達と記念にピース!その時は、70mmまでしか引けないこのレンズでは全身写らないしピントも合わない!焦ってレンズを標準ズームレンズに交換しているうちに子供達は散っていってしまい、おそらくシャッターチャンスを逃してしまいます。
そんな時は、18-140mmの高倍率ズームレンズだったら、どちらも良い感じに撮れていたのかもと思いますよね。でも、家に帰ってパソコンで撮影した写真をよく見てみたら、「フォーカススピード(オートフォーカスの合うスピード)が遅くて子供にほとんどピントが合ってなかった(泣」といった感じでなかなか歯痒いのがキットレンズの宿命でもあります。
運動会撮影におけるワンポイントテクニック
ここでワンポイントテクニックというか余談ですが、子供の運動会を撮影したくてカメラを買う親御さんは多いと思います。しかし運動会は、実はなかなか難易度が高いです。
走っている時に我が子の表情を抑えたいと、良い席を確保してもピントがなかなか顔に合わなかったり、ブレてしまったりすると思います。通常のオートフォーカスではピピっと鳴ってピントが確かに顔に合っても、次にシャッターを押したときにはそこにはもういないからです。
サーボオートフォーカスといって一度ロックオンした被写体を追尾してくれるオートフォーカスを使用してみましょう!SONYのαシリーズなどに搭載されている瞳オートフォーカスなんかも目をAIが認識して追尾してくれる機能で、とても便利です。追尾のオートフォーカスの設定や使い方を事前に確認しておくとベストショットに近づくと思います。
カメラ開発技術者に聞いてみました
キットレンズについて、某大手カメラメーカーの開発技術者のAさんに話を聞いてみました!
Q. キットレンズとはなんですか?
A. 分かりやすく言うとカードゲームのスターターキットのようなもので、買ってすぐに始められるセットです。
Q. メーカーからみたキットレンズの特徴としては何かありますか?
A. 他のレンズに比べて「開発期間が短いこと」があります。さらに、お得感で各メーカーで競い合っている所でもあるので、開発や製造にかけられる予算もシビアで限られていますね。その予算や短い開発期間の中でなんとかベストを尽くして作られているのがキットレンズです。また、レンズ単体で購入するよりも安く買えますので、初めてカメラを買う方には使いやすいレンズと言えます。
結局のところどんなレンズを選べばいいの?
キットレンズはお得で手軽だけど、高価なレンズに比べてやっぱりどこか不便に感じてしまう点がある事が多いのは分かりました。だけど、趣味に使えるお金も限られているから高いレンズは買えないし、という方の為に、僕のおすすめのレンズを2つ提案します!
①単焦点レンズ
キットレンズはズームレンズが多いですが、最近では単焦点レンズキットなんかもあるようです。そういったキットがなければ、カメラ本体と単焦点レンズ単体で買ってみましょう!
おすすめは30mmから50mmの単焦点レンズです。例えば「50mm F1.8」などでしたら価格も2~3万円程度で買えるはずです。
50mmってどれくらい?という方のために、目安として人が普段「意識して見ている視界」に近いのは
・マイクロフォーサーズで25mm
・APS-Cで33mm
・35mm(フルサイズ)換算で50mm
程度です。「意識していないけど見えている視界」は10mm以下になると思ってください。
細かく説明するとまたいかにもややこしいので、自分の買ったカメラ本体が「APS-Cなのか」、「マイクロフォーサーズなのか」、「フルサイズ機なのか」を確認して、実際に店頭で触って見るのが良いと思います。
これらの単焦点レンズをおすすめする理由は、手頃な価格帯で「明るいレンズ」を体感することが出来るからです。そのため、背景もぼかせたり暗い所でも明るく綺麗に写ります。また、通称パンケーキレンズとも呼ばれ、パンケーキのように薄くて軽いので持ち運びやちょっとしたお出かけには最適です!
デメリットとしてはズームが出来ない分、自分で近寄ったり下がったり移動しながら撮らなければならないので、最初は足を使って撮ることになります。シャッターチャンスを逃しやすかったりもします。ただ、最初からズームレンズを持ってしまうと、自分で良い構図を探す癖が付かないので、まずは単焦点レンズで慣れておくことで、写真の上達が早くなると個人的には思います。
②サードパーティーのレンズ
誰もが聞いたことあるようなニコンやキャノンといった有名メーカーのカメラには、ニコンにはニコンの純正レンズ、キャノンにはキャノンの純正レンズがあります。それとは別に、レンズを主に作っているメーカーがあります。それらのメーカーのレンズは、時に純正レンズ以上のクオリティであるものがあり、さらに同スペックのレンズでも純正のものと比較して安く買えます。
中でも、シグマやタムロンといったメーカーなどは数多くのレンズを揃えており、歴史も長く安心できます。サードパーティーといえどメーカーブランドはあります。シグマのレンズを使っているというと、写真を長くやっている人からすると「お!やるね〜!」となりますよ!(笑
是非、選択肢の一つとして考えてみてください!
さて、いかがだったでしょうか。今回はカメラ初心者の方に向けて、キットレンズについて話しました。
次回はシチュエーション別で実際にキットレンズを使って撮影してみた記事になります!色々言ったけどキットレンズも全然悪くないぞー!って記事になります。(笑
お楽しみに!
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キットレンズに関する記事は全部で3つありますので、ぜひ他の記事もご参考にしてください!