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WB(ホワイトバランス)の使いこなし方 | Creator's Blog |プロカメラマンが撮影テクニックを紹介

WB(ホワイトバランス)の使いこなし方

今回はカメラの設定、 WB(ホワイトバランス)についてお伝えします。

レッスンの中でも、WBはどういう設定にしておけばいいですか?という質問を生徒さんから頂くことは多いです。設定しようとすると「オート」「太陽光」「蛍光灯」「K」など色々と出てきます。これはカメラマンによっても意見は違うところですが、オートでいいという人もいるし、太陽光で撮っておいたらいいという人もいます。そのため、正解がある訳ではなく、個々人の好みによっても使い方は変わってきますので、その点はご留意ください。

僕の場合、いつも「K(ケルビン)」で数値を5000〜5500kあたりに設定していることが多く、撮影時は余程気にならなければシチュエーションが変わってもわざわざ数値を変えたりしません。レンズのメーカーや個性によっても変わりますが、大体それくらいの数値がニュートラルな色合いを写し出すことが多いです。

「K(ケルビン)」で設定する理由としては2つ。

①今どれくらいのWBなのか把握しておきたいため。
②WBの設定を一定にしておくことでLightroomを使った色調整の時に一括で同じ色合いにできるため。

実際、WBオートで撮影してもそれなりに自然な色に写りますが、後から色調整を前提として撮影する方は特に、オートで撮ることをオススメしません。一枚一枚WBが変わってしまうので、本当の色合いがわからなくなってしまい、後処理の際に自身が混乱する可能性があります。

WBを意識して撮影することが上達の道に繋がる

自然なWBを意識して撮影することは、初心者脱却のひとつのポイントだと思います。

カメラ初心者という訳ではありませんが、もっと写真を上手くなりたいと思っている方の写真を拝見させて頂くと、WBが適正でない場合が少なくありません。適正なWBであることはとても大事です。商品撮影のときにWBが合っていないと商品の色が変わってしまうので、例えばオークションサイトに出品する際にもクレームの原因となってしまうこともあります。

シルバーの梅村製作所の雲台を撮影した写真を例に挙げます。

5200K

6500K

WBを6500Kで設定した場合も、決して写真としてはおかしくはありません。しかし、黄色味が強すぎて商品の色がゴールドになってしまっています。これは実物の色と大きく異なるため、間違いなくクレームになってしまいます。

ポートレートなど被写体が人物である時もWBが適正であることは重要です。

1枚目

2枚目

3枚目

これらの写真はそれぞれWBは異なりますが、ポイントは「肌の色」です。肌の色に注目して見比べて頂くと、真ん中の写真が適正値となっていることが分かると思います。1枚目の写真は、全体的に青っぽい印象が強くなってしまい、肌の色が不自然になってしまっています。また、3枚目の写真は、日中に撮影した写真ですが、夕方に撮ったように見えてしまいます。

では、1枚目の写真では肌が青っぽく不自然になってしまっていますが、雰囲気は青っぽく爽やかな印象にしたい時もあるかと思います。そんな時はどうしたら良いのか?

答えは「後処理の色調整で好みの色合いに仕上げていく」です。例えば、肌の色に注意しながら色調整をしてみると、下の写真のようになります。

例1

例2

Kで管理することによって、あえて「暖かい雰囲気にしたいから6300Kに設定しよう」「透明感を出したいから4200Kにしよう」というような細かい選択も数値の設定次第で自由にできます。

カフェでマグカップと店内を落ち着いた雰囲気で撮影したい時、少し黄色っぽくしてみることがあります。逆に、スタイリッシュで無機質なカフェなら少し青っぽくして、その印象を強調することもできます。

あえて適正値を外してみるのもOK

非現実的な雰囲気を出したいなら、あえて適正値で無い方が面白かったりすることもあります。

調整前

調整後

マニュアル設定に慣れてきたらWBを調整することで、写真の雰囲気をコントロールしながら遊んでみても良いかもしれません。