【モデルさんとイメージを共有すること】原宿の街でポートレート撮影
写真を撮ると言っても色々ある。人物、動物、風景、物、建物 etc…
僕が仕事で撮影するのは人物撮影が比較的多い。人物撮影と言っても被写体は毎回違うわけで、初めましての撮影がほとんどです。中には、一流のモデルや芸能人、アーティストやアイドル、アスリートに政治家まで普段TVや雑誌で見るような有名な方々も数えきれない程撮影してきました。
そう言うと、いかにも業界のカメラマンという印象を持つかもしれませんが、実際普段の撮影は一般企業の社長さんや社員さん。また、家族写真など一般の方を撮影する割合の方がやはり多いです。
そういった撮影の中でもっとも僕が大切にしていることを話します。
被写体とのコミュニケーション
普段撮られ慣れているモデルや有名人など特殊な方を除いては、挨拶もそこそこに知らない人にカメラを向けられて撮影されるということは本来恐怖で顔がひきつってしまって当たり前の話なのです。
ところが仕事ともなればゆっくりアイスブレイクしている時間もないわけで、撮影しながら被写体の緊張をほぐしていくしかないのです。さらに、大変なことに緊張をほぐして笑顔の写真が撮れたらいいという撮影なら、早い話で笑わせたり世間話をしたりしながら撮影したらいいのですが(実際にはそんな簡単ではなく緊張をほぐすコツもあるのですが)、明確なコンセプトがある場合は、ある程度の表情やポーズを演じていただかなくてはなりません。これはカメラマン一人の力では難しく、被写体との共同作業になります。
ポイントは『こちらのイメージを共有して、どこまで具体的に想像させられるか』。
例えば、最初の撮り初めの段階では「捨てカット」として、実際には緊張のあまりガチガチで使える写真ではなかったとしても、シャッターをきるリズムを止めずに、会話をしながら撮り続けます。逆にいうと、無言でいい表情を待ちながらシャッターを切らないというのが最悪です。「私うまく笑えてないんだ。。」と余計に不安になってしまうからです。
「仕事帰りに好きな人と美味しいカレーを食べに行く約束をした時を想像して」、「どこのカレーを想像しました?」、「僕はココイチを想像しましたー、3辛でw」などと、なんて事のない話をしながらシャッターをリズムよく切り続けます。最初の会話の中から相手の好きな物や興味のあることを聞いておくと具体的な話が作りやすかったりします。
笑顔でない方がいい場合はこちらの声のテンションや内容も変えていく必要があります。自分の表情やポーズを既に持っている方には、必要最低限の指示しかしません。相手のペースに合わせるのか、こちらでリードするのか、現場で判断してコミュニケーションの取り方を変えています。
毎回シチュエーションは変わるのでこれだけやっておけばいいということではないのですが、こればっかりは経験しかないのです。
こちらの記事で掲載している写真は、私が気が向いた時に開催しているポートレートレッスンを含んだフォトウォークで撮影したものです。同じ日に撮影した写真ですが、背景に応じて指示を変え、モデルさんの表情やポージングに変化をつけています。
不定期ではありますが、ポートレートレッスンは度々開催していますので、ぜひご興味があればこちらのサイトをご参照ください。