この写真は何を伝えたい写真でしょう?
登山中であろう男性の後ろ姿を写した写真ですが、この写真は一体何を伝えたかったのか。
この写真のフォーカスは男性のバックパックから見えている南アルプスの天然水にフォーカスが来るように撮っています。実はこの写真の男性は一緒にアルプス登山をしている友人なのですが、この登山のテーマは「アルプスに天然水を汲みに行こう!」だったのです。
わかるかいっっ!って感じですよね(笑
しかも、厳密には、南アルプスではなく北アルプス(飛騨山脈)に訪れた際に撮影したものでした。
この写真1枚でそこまで分かった方はおそらく少ないと思いますが、大切なことは撮影時から「何を伝えたいのか」という点を踏まえて試行錯誤することです。見せたいところに視点が定まるように画角やフォーカス、シャッタースピードを調整して撮影しなければなりません。その上で、背景の彩度や色相を調整して、なるべく南アルプスの天然水が目立つように編集をしました。
いきなり難問でしたね(笑
では、もう少し分かりやすいこちらの写真はどうでしょう?
こちらの写真は先程のものとは一転し、「色鮮やかなシーズン真っ只中の美しい紅葉」をシンプルに伝えたいと思い撮影した写真です。このメッセージがより伝わりやすくするために、彩度を上げるように編集しました。
続いて、こちらの写真は「山脈の勇ましさと青い空」を強調するために明瞭度や輝度を編集しています。実は、撮影時にこういった編集をすることは頭の中にあり、その上で空の色が残るように白飛びしない程度に少し露出をアンダー(暗めに)撮影していました。撮影が上手くいかなかった写真を綺麗に加工することも編集では可能ですが、予め編集まで見据えることで、より思惑通りの写真に仕上げることができます。
最後に、こちらの写真では登ってきた朝日の暖かさを感じて欲しかったので、太陽そのものではなく、山肌を撮影しました。露出とWB(ホワイトバランス)を撮影時に気をつけていたため、こちらの写真においては、後から色調整はしていません。編集は便利ではありますが、撮影したままの写真の方が上手く表現できることもあるため、時と場合によって使い分けることも大切です。
工夫は必要だけで、表現のしかたは自由!
このように、伝えたいイメージを表現するために様々な方法はありますが、どのように仕上げるかは個々人のセンスによっても変わります。そのため、表現方法さえ抑えていれば、自分の頭に描くイメージを自由に表現することができます。まさにアートですね!
最近のカメラは性能がどんどん良くなってきているので、機械任せでも綺麗に撮れることもありますが、伝えたいイメージを表現するためには、A(オート)ではなくM(マニュアル)の方が自由度で幅が広いため、M(マニュアル)を使うことをオススメしています。